2012/12/12

人生の”間” - [読書] - 間抜けの構造


本書は「間抜け」について解説するものではない。

タイトル通り「間抜け」とはどういうものであるかを冒頭で説明はしているが”間”それ自体がいかに我々の生活の中で重要な要素をしめるかを著者のこれまでの経験からわかりやすく解説してくれている。



目次 - 間抜けの構造
第一章 間抜けなやつら
第二章 ”間”を制すもの、笑いを制す ー 漫才の”間”
第三章 お辞儀がきれいな人に落語の下手な人はいない ー 落語の”間”
第四章 司会者の”間”を盗め ー テレビの”間”
第五章 いかに相手の”間”を外すか ー スポーツ・芸術の”間”
第六章 映画は”間”の芸術である ー 映画の”間”
第七章 ”間”の功罪 ー 日本人の”間”
第八章 死んで永遠の”間”を生きる ー 人生の”間”


笑いの”間”については、普段深く考えずテレビなどでお笑い番組を見ている我々にとっても、直感的にわかりやすく”間”の重要さを示してくれる。
落語を実際に私は見たことがないが、漫才とは違う”間”がそこではまた重要になっているという点も理解できる。

スポーツの”間”についての話は、”間”に関係なく只々、長嶋茂雄が笑える。

映画に関する”間”については映画を実際に撮ってきた著者の言葉だから間違いの無いことだろうし、映画好きの人からしたら納得のいく視点だろう。
映画の間と言われてふと思い出したのは、はじまりから終わりまで、真っ青な画面のみが続く映画『BLUE ブルー』も”間”の一つなのかと考えると難解な点もあるが。。

日本人の”間”については、とても独特でそれが特異な文化の構成する要因となっているが、そのことが逆に日本の首をしていると言う点は少し残念だ。
せっかくすばらしい”間”の文化があるので、その”間”ももっと今の日本人は意識し大事しなくてはもったいないと思う。

このように普段、我々が行っているものごとを”間”という視点から改めて考えてみることで、より深くそれぞれのことを理解し、楽しめるのではないかと思う。

そして本書で特に印象深いのは、人生は生と死の点と点をつなぐ”間”であるということ。
普段の些細な会話や仕事、文化、そして時代まで様々なことがらが”間’という視点で考えることができ、そしてさらに視点をあげると人生そのものが一つの”間”であるということ。

人生を楽しむにはこの”間”を意識することが一つのヒントとなるのかもしれない。
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